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「わぁ、すごい!」
「デスヨネ!春音サンなら喜んでくれると思いマシタ!」
お互いの休日に訪れたのは動物園と遊園地の複合施設。今日のために色々調べて良さそうな所を探したのだ。
木造の大きなコースターやタワー落下型の乗り物を見てあんぐり口を開けている姿が微笑ましい。
春音さんの格好は、薄オレンジ色のチェックのワイシャツに薄黄土色の七分丈ズボンというラフな格好だった。薄い色で爽やかだけど主張し過ぎない所が春音さんらしくて良い。
フリーパスを買って、中に入る。休日だったが先週ゴールデンウィークだったために人はまばらだった。
「どれ乗りますか?」
「えっと、じゃああれ!」
子供のように無邪気に指差したのは速さが売りのジェットコースター。早速並ぶことにした。
カオリとどうだったのかなどを話したりしながら並ぶとすぐに順番が来てオレたちは案内を受ける。最も怖い一番後ろの席だった。
始めはワクワクしていたのに、いざ乗ると安全バーをしっかりと握って笑顔がひきつっていく春音さんに見てるこちらが笑顔になる。「ダイジョウブです」と自然に手を握ってあげたら少しホッとしていた。
結局乗っている最中はとても楽しそうでよかった。
それから目につく乗り物をはしごして、体験型アトラクションもやったりした。
やはりオレのことを避けていたことを信じられない位の明るい態度は気になるが、素直に楽しんでくれているようで嬉しかった。
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