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「だから俺...さっきのトイレのやつ聞いて、アレックスがそんなに悩んでくれてたんだって思ったら、俺が悩みとってあげたいなって...それが俺にできるなら、アレックスにそうしてあげたいって思ったんだよ」
言葉にすると、あんま伝わんないねって、アレックスに笑いかけると、アレックスはゆっくり首を振って俺の手を強く握った。
「オレも、言葉にできないデス。でも、春音サンがオレを大事に思ってくれているコトは伝わった...それが、ただ嬉しい」
「えっ、アレックス...?」
かっこよく笑ってるアレックスの目からぼろっと涙が溢れてて、俺はすごい焦った。もしかしてやだった?急だった?自分からちゃんとアプローチしたことはないから、不安がいっぱいだよ。
「チガイマス...嬉しくて泣いてるだけです。こんなところ見られてミットモナイな...」
アレックスはずずっと鼻をすすると、こっちをまっすぐに見た。すこし目元が赤くなってて...こんなアレックスは初めて。それもなんか嬉しくて、くすぐったくなった。
「...抱きしめても、いいですか?」
「は、ひゃいっ」
うわっ、噛んだぁ...耳まで一気に熱がのぼったのがわかる。
だって、こんなときに限ってすごい流暢な日本語で、すごいカッコいいから...
「...可愛い」
「えっ...」
アレックスがボソッと呟くと、すぐに腰と後頭部を引かれて抱きすくめられた。
今、かわいいって言わなかった...?お、俺が?ないない......
俺の体はアレックスの腕の中にすっぽり収まって、なんだか子供になったみたいだ。
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