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アレックスの広くてしっかりした胸に耳がぴったりついて、アレックスの心音が伝わってくる。
「えへへ、すっごいドキドキしてる?」
「アタリマエです...春音サンは意外と余裕そう...」
「そんなことないよ、ほら!」
ぐんっと首を上に向けてアレックスを見ると、その手を掴んで俺の胸に押し当てさせた。アレックスは悪いことをしているような顔でしぶしぶそれを許す。
「春音サンも、ドキドキですね...」
「うん...」
アレックスが胸の上で手をちょっと動かすからこそばゆいよ。
けど、アレックスとくっついてるのは暖かくて心地いいからしばらくこうしてたかったのに、すぐに離れてってしまった。
「ん...もうやだった?」
「っ......い、いえ...」
「じゃあもう少ししてたいな...」
「それは...」
「ど、どうして......?」
あれ...もしかしてほんとにやだったのかな...俺がちゃんとアレックスが好きって、いってないから...
でも、俺もまだこれが好きって感情なのかよくわかんなくて、適当に好きって言うのは騙すみたいで言いたくない。
顔に表情が出てたのか、アレックスは俺の不安を拭うようにほっぺを撫でてくれた。
「嫌がらないでくれマスか?」
「うん、嫌がんないよ、大丈夫」
俺もアレックスの不安を取りたくて手をにぎにぎすると、躊躇いながら口を開いた。
「これ以上、ガマン出来なそう...だからデス......」
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