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「サーザイルのソフィエルから参りました
リリア・キャラベルと申します。
……と突然お邪魔して、
このようなことを申しますのも
大変恐縮ですが……ええと……あの、
今夜一晩……宿をお貸しいただきたく
お伺いした次第でございます」
しどろもどろになりながらも、
何とか用件を告げてリリアは長身の男を見つめる。
そして不審げに自分を見下ろす
男の視線に焦りを覚えた。
突然訪ねてきた見ず知らずの少女に、
泊まらせてくれなどと言われれば、
誰だって不審を抱くに違いない。
そう考えたら、
無言で見つめてくる瞳が、
底冷えのする冷たい視線のように思えてきて、
リリアは慌てて言葉を継いだ。
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