155人が本棚に入れています
本棚に追加
「リリアさぁーん?
あまり長い時間浸かっていては、
湯中りをしてしまいますわよー」
脱衣室から届いた声に、
リリアは瞼を開いて唇の端を上げた。
少々お節介なところがあるようだけれど、
アンナはとても優しい人柄のようだ。
「ええっと、これは……」
リリアは指先で摘み上げた下着らしいものを
まじまじと見つめて首を傾げた。
気を取り直して脱衣室の中を見回すが、
他に下着と思しきものは見当たらない。
という事は――
(やっぱり。これがズロースなのよね?)
リリアが手にしているのは、
ほんのちょっとの布で作られた下着だった。
(こんなに小さなズロースは見たことがないわ)
それに生地が驚くほど薄い。
リリアは両手で摘んだ下着を
左右に引っ張ってみた。
(簡単に破けたりはしなさそうだけれど……)
最初のコメントを投稿しよう!