1人が本棚に入れています
本棚に追加
03.地震発生
14時46分。
突如として激しい揺れが襲った。
横揺れなのか縦揺れなのか分からない。
とにかく激しく揺れていた。
ありとあらゆる物が床に落ちた。
妹は母親のコレクションなのか何なのか、良くは知らないが綺麗に飾られたガラスの置物が入った棚を必死に押さえていた。
当時の俺は何を思ったのか。
「とにかく逃げ道を確保しなさい」という小学校で先生が言っていたような言葉が何故だか当時は一番最初に頭に浮かび、今いる部屋の窓を開け、急いで一階に降り玄関の扉を開けた。
どれくらい揺れていたのだろうか。
とにかく今まで感じた事の無い揺れが数分間続いた。
ーーーーーーーー
激しい揺れはしばらく続き、次第に収まっていった。
だが、まだ僅かに揺れている気がする。
自分自分の身体が揺れているのか、はたまたまだ地面が揺れているのか、当時の俺には分からなかった。
揺れが完全に収まったのを見計らって祖母の部屋へと向かう。
扉を開けると、祖母はベッドに腰掛け固く手摺りを掴んだままただただ茫然としていた。
続いて急いで2階へと戻る。妹もまた唖然して固まったまま茫然と宙を見つめていたのだった。
最初のコメントを投稿しよう!