00.記憶

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03.麻痺した感覚 その当時、言うならば俺は完全に地震に対して感覚が麻痺してしまっていた。 当時、俺の住んでいた地域では頻繁に余震があり、津波の注意報も毎日のように流れていた。 注意報を信じて実際に避難した事もあったし、近所の住民が避難所に、という話も度々聞いていた。 だが、いつもたいした事はない。 一応心配はするし注意報や情報を気にかけはするが、いつも結局何もなく終わる。 そのせいもあって、 “余震にしては激しかったな” というのが、その当時実際に俺が考えていた事だった。 あの激しい揺れを体験しても尚、完全に感覚が麻痺してしまっていた俺はそんな呑気な事を思っていたのだった。
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