罠のような恋。

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ー恋なんて忘れていた。 ー恋なんていらなかった。 今が楽しいからそれでよかったのに。 どうして、貴方は私を罠にかけるの? 私なんて、ほっといてくれればよかったのにいつもみたいに冷たく仕事だけの関係でよかった。 「瀬戸…おい、瀬戸 聖!!!」 「は、はい!!」 突然、頭の上から響く声と頭を掴む手。 「あ、あの…い、たいです。」 「痛いか、瀬戸 聖。」 「痛いですし、できたらフルネームで呼ぶのもやめてもらえませんか?」 「じゃあ、瀬戸…このファイル14時の会議までに準備しておいてくれ。」 「はい、主任…。」 「第三会議室だ。」 私の質問の前に必ず答えが返ってくる、優秀すぎる上司で同期。出世のスピードも違う。イケメンで周りの人の人望も高い。 「…よし、やるか…。」 誰にも聞こえないぐらい小さい声で気合いをいれてから、パソコンに向かう。
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