罠のような恋。

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渡された書類の一番上に20部と付箋が貼ってあった。それほど、枚数が多くない資料をまとめながら各ページを20枚づつ印刷をしてホッチキスでまとめる。 時間も間に合った… はずだった。 いつも必ず何かが抜ける。 今も目の前に入っていないといけないはずの紙が二枚だけ残っていたりする。 「ま、まじか…。」 束ね終わった20部の資料から6、8ページがないものを探して慌てて直す。さっきまで、間に合ったと思っていた準備も気づけば五分前で慌てて資料を抱えて、会議室に向かう。 低くてもヒールで走るは、すこし大変で躓かないように気をつけながら会議室の扉を開ける。 「瀬戸、遅い。」 「す、すみ、ません…。」 会議室には、すでに主任の姿があって…会議の準備をしていた。 私は、彼の視線が刺さる中テーブルの上に資料を並べていく。 「すみませんでした…。」 「次は、もっと急げよ。あと、会議が終わったら内線するからここに戻ってこいよ。」 「…あの、それっ」 「返事!」 「は、はい、わかりました!!」 私は、返事だけを残して慌てて会議室を出た。
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