6人が本棚に入れています
本棚に追加
会議室を出てから、説教される恐怖に緊張をしながら通常の仕事をする。
なんで、楽しい時と同じで嫌だって思うことまでの時間というのは、あっという間に過ぎていってしまうのだろう。
ープップップッー
内線がなる。
「はい、もしもし瀬戸です。」
「俺だ。会議終わったから今すぐ、会議室に来い
。」
内線を切ってから、重い足取りで会議室へと歩き出した。途中にある自販機で焙煎コーヒーをブラックで買い、手土産にする。
このコーヒーが少しでも何かの役に立てばと願いながら、会議室の扉をノックした。
「はい。」
「瀬戸です、入ります。」
声をかけてから、扉を開けると会議室というシチュエーションがよく似合う主任がいた。
「あの…これ、よかったら…。」
少し、ビクビクしながらコーヒーを差し出す。
「ありがとう。」
そういいなかが、銀縁の眼鏡越しに微笑む姿にドキッとするのは致し方ない。
「苦っ!」
「へっ?!あれ、主任ブラックじゃなかったでしたけ?」
「……あぁ、あれはキャラだよ。若くて仕事ができるって言われてる人間が仕事しながら『おしるこ』とか飲んでたら微妙だろ?」
この人は、さらっとすごい事を口にしてる。
「おしるこ好きなんですか?」
「おしるこもココアもチョコドリンクも好きだよ。」
眼鏡を外しながら、笑う姿を少しかわいいと思ってしまった。
最初のコメントを投稿しよう!