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ぱーーーーーんっ!!
「はぅわっ?!」
キタキツネのスゥプラは、鼻の穴から巨大に膨らんだ鼻提灯が凄まじい音をたててパンクして、ビックリして飛び起きた。
ざざ~~~~~ん・・・
ざざ~~~~~ん・・・
「えっ・・・」
キタキツネのスゥプラは、辺りで海鳴りを耳にしたとたん辺りを見渡してギョッとした。
「海・・・周りが海・・・?!えええええええええっ?!」
更に、自らの脚元を見て仰け反った。
「白い大地が・・・!!ひび割れてれ!!粉々に砕けて!!
俺の居る場所しか無くなってる?!」
そうなのだ。
キタキツネのスゥプラが今まで休んでいた場所は、流氷の上。
やがて、照らされる太陽に溶かされて流氷にクラックのヒビが入って引き裂かれ、次々と海の向こうへ流れていってるのだ。
流氷は、上に怯えるキタキツネのスゥプラの事はいざ知らず、他の砕けて熔け出した流氷と一緒に沖へ沖へ離れていき、遠くへ遠くへと流されていった。
「ぎゃーーーーーん!!こ、怖いよぉーーーーー!!!!!」
みるみるうちに、黄色い顔が青ざめていくキタキツネのスプラは自ら乗っている流氷にしがみついて、プカプカと漂っていた。
「もう!らちあかん!!」
居ても立ってもいられなくなったキタキツネのスゥプラは、慌てて脚で流氷を漕いでみた。
ちゃぷん。
ぞくぞくぞくぞくぞくぞくっ!!
「寒いぃぃぃぃぃいーーーー!!」
慌てたキタキツネのスゥプラは、悴んだ前肢に息を吹き掛けて暖めた。
今度は、海に漕ぐ為の木の棒を探しまくった。
ずるっ!!
「おっとっとっと!!」
キタキツネのスゥプラは、バランスを崩して海に投げ出される寸前で何とか這い上がった。
「ふぅ・・・ふぅ・・・助かった・・・」
キタキツネのスゥプラが乗っている流氷は周囲の流氷群が見えなくなる位に段々離れていき、やがて孤立してしまった。
「白い大地が・・・ここだけしか・・・何で?!」
遂に、キタキツネのスゥプラが踞っている1角の流氷は、海のど真ん中に押し流されていった。
更に、思いのよらないトンデモない自体になってしまった・・・!!
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