音速アレグレット

4/6
前へ
/6ページ
次へ
ぼくの鼓動は allegretto(アレグレット) 少しだけ歩幅を広げて 心地よいスピードで 跨線橋のオンボロ階段を 一段飛ばしで登りきる 下をゆく電車の通過音が 耳元とリンクしたら ムクムクと顔を出すぼくの部活病 指先をスティック代わりに 太股をドラム代わりに 手がかじかむのも忘れて きみの旋律を頭のなかで響かせて フルートとパーカッション 音楽室の端っこと端っこ いつも一番離れたところから きみの背中を視界に映しながら ぼくの刻むリズム きみの奏でるメロディ 重なって 溶け合って ひとつになってく 今は大勢のなかの"二人"だけど いつか いつか
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

34人が本棚に入れています
本棚に追加