代償は付き物だ

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「なぁ…、師匠をどうやって助けるんだ?」 「私たちの治癒魔法で、結晶を壊すの。」 「私たちで…、って治癒魔法使えるの!?」 俺は、驚いた顔をして尋ねた。 「あれ?言ってなかったっけ?」 「言ってないよ。」 キララは、少し慌てたが俺は許してやった。 「じゃあ、いくよ。」 「あぁ、いつでもどうぞ。」 『『我が主に答えよ。すべての力を呼び覚ませ。lost magic!!!』』 結晶に魔法をかけ、結晶に少しずつ日々が入っていく。 「よし!これなら…、!?」 俺は、横にいるキララの姿を見た瞬間心臓が止まりそうになった。 「お前…!!体が消えかけて…!!」 「止めるな!!!!」 その力強い声が響き渡る。 「ここで止めては魔法が消える。」 「だけど、キララが!」 キララは少し軽く笑った。 「元々はね、あの結晶の中に私が入るはずだったの。」 「え…?」 「それを、知った師匠が身代わりになって入っていったの。」 すると、キララは頬を伝って涙がこぼれていた。 「今度こそ、私があの水晶の中に入る。そして、師匠を助ける。だから…!!!」 「なんなら!!」 俺は、キララを強く抱き寄せた。 「俺も結晶の中に入る!」 「な…何言って、!?…駄目よ、結晶と気持ちをリンクしてしまったらカイさんまで!」 「好きだよ。」 「え…?」 「キララの事好きになっちまったよ。」 すると、俺の体も結晶に吸い込まれ消えかけていった。 「本当にバカじゃないの!……、でも私もそんなカイさん…ううん、カイの事が好き。」 こうして、私たちは結晶の中に吸い込まれていった。
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