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ピンポン。
彼がやってきた。座っていた楕円形のラグから急いで立ち上がる。
「痛っ」
勢いよく立ち上がったせいで、太ももをローテーブルにぶつけてしまった。小さな軽いテーブルだからガタンと動いて、置いてあったメモが落ちた。確認済みの内容ではあるし、スマートフォンのスケジュールにも入れてあるから、捨てるつもりで破いて置いてあったのだ。
どこかへいってしまった半分は、見つかったらゴミ箱に捨てることにし、テーブルに残っていた半分をゴミ箱に投げ入れ玄関に急いだ。
「いらっしゃい! 待ってたよ」
彼は両腕に沢山の荷物を抱えてやってきた。
「わぁ。また一杯買ってきたんだね。今日は何を作ってくれるのかな?」
袋からのぞいているのは、野菜や肉などの食材だ。料理人の彼はいつも美味しい料理を作ってくれるので、自然にお家デートが多くなる。
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