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「ここまで悪くなる前に治療しとけば良くなったかもしれないけど、今だと手術しても治る見込み薄いよ」
と医者の先生は言った。俺はストレッチャーの上で静かに絶望していた。
「せめて1ヶ月前に治療開始しておけば」
何度も受診したのに何もしてくれなかったのは御宅の病院ですけどね。と思ったが、当時この先生は僕の担当医ではなかったので言っても仕方ない。
ともあれ、俺は靭帯骨化症の発覚が遅れ、ついに下半身麻痺に至った。
この時点で俺の神経はダメージを受けすぎている。
神経は回復しづらく、手術で原因を取り除いても、回復するかどうかは賭けなのだそう。
大体60%くらいで回復すると言われているらしいが、今回の俺のケースはダメージが重いため、もっと確率は低い。
一生歩けないことにもなりかねない。
別に俺はスポーツマンじゃないし歩くの大好きってわけでもないが、さすがに一生歩けないのは困る。
せめて座れるようにはなりたい。
「手術する?」
いくら治る見込みが薄かろうとするわい!
「手術が原因で死ぬこともあるけど」
めちゃくちゃ正直~! この先生、めちゃくちゃ正直に言うやん。
まぁ誤魔化されても困るけども。
結果、靭帯骨化が確認されたのは頸椎と胸椎と腰椎の三箇所。
で、一番ダメージがひどい胸椎をすぐさま手術してもらうことに。
頸椎と腰椎の手術は特に難しいらしく、大学病院に転院して治療するそう。
思った以上に重症だったのか俺は。
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