第三部:その時を待ちながら厳冬に事件が続く

14/34
前へ
/34ページ
次へ
慌てて部屋から出て行く彼等に続き、篠田班の面々も出て行く。 「今日は、焼きそばの予定だったのに。 娘に作らせると、旦那がマヨネーズをたっぷり掛けるわ~」 まだ午後の3時前だが、帰れない事を嘆く織田刑事。 如月刑事は、妻の誕生日だから外食しようと云う。 「今日は、残業二時間で上がるからね。 外食の予定だから」 並ぶ篠田班長が。 「旨いメシは、確かにありつきたいよな」 今、自由に動かせる人員は多いと知る飯田刑事だから。 「如月、別に無理するな。 遊ばせてる人員も居るし、ウチの班には未婚者が三人も居るんだ」 未婚者の一人の里谷刑事が、ムクレた顔をして。 「なぁ~にそれ。 アタシ達に押し付けようっての?」 「フン、ならば気遣えして貰える様になれ。 俺も、今日は7時で上がる」 市村刑事は、まだこれからの確固たる予定も無い為に。 「仕方ない、メールと電話だけで済ませるか」 廊下に出た皆の前へ、聴取室から木葉刑事も出て来る。 彼を見掛けた飯田刑事が。 「木葉、ナイス」 ニタニタした里谷刑事が。 「あの偉そうな顔が崩れたの、見物だったわ~」 前髪を避けて不満そうな市村刑事にしては。 「だが、暴くのは明日でも良かっただろう? 今日は、新しい彼女とデートでもって思ってたのによ」 此処で呆れた織田刑事は、 「木葉、女狂いの言葉なんか馬耳東風よ」 と、市村刑事の脚を蹴る。 「ぬ゙ぇっ」 膝を軽く崩した彼を笑う如月刑事で。 「一途で良かった。 蹴られずに済む」 ノソノソ歩く木葉刑事は、遣る気に成る周りだからか。 「今から、サバの味噌煮と寒ブリ刺身定食・・食べて来まぁ~す」 食堂でいま出されている、期間&提供時間&一日の数が限定の定食だ。 昼前に食券を買ったままにしていたので、小さい声で言いながら出て行く。 昼を抜いてるから、我慢を止めたらしい。 美田園管理官は、確保した全員を夕方5時を以て起訴するとして手続きをする。 本日は基本定時上がりとし、明日から本格的に捜査をするとした。 残る時間で、まだ黙りを貫く3人に事情聴取をする木葉刑事以外の仲間達。 松潟の身元がほぼ割れた事に、3人の間に動揺が走る。 本日は、聴き込みに出る若手に付き合う司馬刑事。 5時に成れば、送検の手続きが行われるが。 如月刑事や飯田刑事が帰る。 里谷刑事や市村刑事が言ってか、織田刑事も帰った。
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加