第三部:その時を待ちながら厳冬に事件が続く

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其処へ、如月刑事が来て。 「木葉ぁ~、旨そうだなぁ~」 「ホメて伸ばしましょう~、伸ばしましょう~」 如月刑事の奥さんが、どうも変な味付けの料理を作るらしい。 料理以外の不満は無いから、一緒に作ったりしたい如月刑事だが。 忙しいと、どうもそうも行かないのだ。 おにぎりも在る為、如月刑事と弁当をシェアする処に、市村刑事と飯田刑事が来た。 木葉刑事の前に座る市村刑事が。 「木葉、鴫は面会謝絶だっただろう?」 「いぇ~、会えましたよ~」 「なぬ゙?」 「智親さんが一緒でしたからネ」 「そ、そうか。 だが、元気なんて無かっただろ?」 「まぁ、病み上がりでしたからね。 でも、ケーキを泣いて食べてました。 高熱が、よっぽどに辛かったみたいッス」 「良く食べたな…」 「俺が、無理繰りに食べさせました。 残されると、勿体無いッスから~」 木葉刑事以外の四人は話を聴いていると、どうも此方の感じ方と彼の意見に食い違いが有りそうな気がする。 其処へ、まだ会議前だからと智親鑑識員が入って来て。 「こ~の~はさんっ」 「あら、智親さん」 ボンヤリする木葉刑事の手を、ガッと握る智親鑑識員。 「昨日は、ありがとうご~ざいますぅーっ。 御姉様っ、急に元気を取り戻したみたいでっ。 ホラ、メールで返信もっ!」 メールの内容は、木葉刑事が来てくれて如何に心の支えに成ったかを切々と綴っていた。 横から見た市村刑事は、読み進める内にワナワナと自尊心が震え出した。 完全に特別な相手に成ったと判る。 いや、織田刑事や飯田刑事ですら、それは読み取れたが…。 然し、木葉刑事は。 「まぁ、これで進藤さんも安心ッスねぇ~。 欠員が戻れば、班の仕事も回りますし~。 今度、ケーキの代わりに何か奢って貰おう」 と。 四人の刑事は、 “本気で言ってるのか” と、四者四様に木葉刑事を見る。 其処へ、里谷刑事が入って来た。 鑑識課に戻る智親鑑識員と会い、話やメールを見る。 そして、木葉刑事達仲間の元へ猛ダッシュで来るや。 「ねぇっ、アタシもインフルエンザを患ったら、みんながあの高~いケーキでお見舞いしてくれるのぉ~」 と、言って来るではないか。 木葉刑事を含め、5人がピッタリ止まって里谷刑事を見た。
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