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第一章
───朝の通学路。ヒトとヒト成らざるが行き交う日常。
重たーい瞼をゴシゴシと擦りながら。
「ふぁ~あ……。」
『~ッ。』
オレが欠伸をすると、肩の上でだれるオウカも釣られて欠伸を一つ。
どうやら相棒も眠いらしい。そりゃそうだ、オレ達は昨日部屋で雑誌を
読んでいたはずなのに、気が付いたら揃って寝てたんだから。
“眠るぞ!”って眠った訳じゃないからかもの凄く寝損した気分だよな。
そんな気分をズルズル引きずりながら学校の校門をくぐる。学校に着くと
相変わらず色んな奴が、遠巻きにチラチラ見て来たり、小さい笑い声何かが
聞こえて来たりする。嫌~な感じだけど気にしないが一番。纏わり付く視線も
笑い声も無視して下駄箱で靴を履き替え、さっさと自分の教室へ走った。
「はよー白波。」
「あ、おはよう御柱くん。」
教室に入って何時もの窓際の席へ。カバンを机に引っ掛けながら、隣の白波と
朝の挨拶を交わして。白い眼鏡の様なツクモ、はくあを掛けた白波へオレは。
「今まで気にもしなかったけどさ、アレ凄いなー。」
「うん。でも最近、前よりも人が多くなった感じなんだよ?」
「へぇー……。」
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