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オレ達は教室中央付近の人集り、その中心に居る奈那乃を遠くに
見ながら話す。奈那乃は沢山のクラスメイト、主に女子達に囲まれながら
笑って何か話してた。寺とかで一緒に居た時にはあんまり見た事の無い笑顔だ。
ん? 人集りでよくは見えないけど奈那乃の膝上、そこにはあのクマ型ツクモが
抱き抱えられて居るのが少しだけ見えた。クマ型ツクモは何時も握っていた妙に
リアルな鮭を両手で抱きしめ、そのクマ型ツクモを奈那乃が更に抱きしめて
いる。面白いな、あれ。どっかで見た古~いオモチャを頭で思い浮かべて
遊んでるオレへ、隣の白波が言う。
「凄いと言えばあっちもだよね。」
「んー?」
隣を見ると白波が視線を前に送ってた。だからその方向へオレも視線を送って
見れば、視線の先、教室一番前の席列にも人集りが出来ていた。囲んでいるのは
主に男子で、中心に居たのはデカイ奴とその怪獣型ツクモだ。胸を張って
男子と話すデカイ奴に、周りの男子は怪獣型ツクモを見ては『スゲー』とか、
話を聞いては『カッコイイ!』とか言っている。ほーう?
「アイツらってあんなに人気だったのか……。」
「気が付かなかった?」
「全っく!」
「何で自信満々なの……? ま、まあ最初はそうじゃなかったからね。
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