第一章

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 生徒が教室を出て行き、暫くすると出て行った生徒達がぽつぽつと戻って来る。  そして先生がまた次の生徒の名前を呼ぶ。それを繰り返す事数回。 「えっと次は……。御柱さんと白波さん。」 「「はーい。」」  一番最後の組みがオレと白波だ。オレ達は自分のツクモと一緒に教室を  出て、校舎一階にある保健準備室へと向う。生徒も誰も居ない静かな廊下が、  ちょっと楽しくなりながら歩き、辿り着いた保健準備室の扉の前で。 「「失礼しまーす。」」 「はいどうぞー。」  一言言っては返事が帰って来たので扉を開けて中へ。保健室と同じ変な匂いの  する準備室の中には、ドラマとかでよく見る帽子を被って無い神主さんが居た。  紺色の服を着た神主さんは部屋の中央奥で、機械のモニターを見ながら椅子に  座ってて、隣には巫女のお姉さん。その巫女のお姉さんがオレの方を見ながら。 「席へどうぞ。隣の子は此方で少し待っててね。」  言われた通りオレは神主さんの真ん前の椅子へ、白波はオレの左後ろに  置いてある黒革の長椅子にそれぞれ座った。神主さんの周りを見ると良く  分かんない機械が沢山置いてある。何だか、こう、落ち着かないや。  どうもそれは肩に乗せた相棒も同じらしくて、オレと相棒がそわそわ     
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