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むかしむかし、ある国の山奥に何年、何十年もの間こもる、人形師がいました。 その人形師は、毎日休むこと無く、 どこからか調達してきた材料で 毎日変わらず、少女の人形を作っていました その人形師は、腕も良く その人形も、まるで本物の人間のような肌や目をしていたのですが どこか奇妙なものでした。 人形師には、ある目的がありました。 ー事故で死んだ友人を、もう一度作ること 何十年たった満月の夜 血だらけのアトリエ やっとあえたね そう、人形師は笑いました。 しかし、人形はいくら似ていても人形。 人形師の描いた無表情から動く事はありませんでした 嘆き、苦しんできた人形師も疲れ果て 死んだように眠りにつきました このまま死ねたら会えるかな 声が聴ける? 触れられる? 死にたい 明日を生きる目的を失った人形師は そう、初めて思ったのでした。 歩き疲れた人形師は夢を見ました 自分が作った人形、いや 死んだ友人に首を絞められる夢を 苦しくて、悲しいけど どこか懐かしいような そんな夢 指の感覚がじんじん伝わってきて 視界が霞んで 音が消えて それでも、 人形師は嫌だと思いませんでした。 音のない、友人と人形師だけの小さな世界 やがて、視界は暗くなっていきます ありがとう 消えてしまう前にそう笑ったのはどちらでしょうか その人形師が夢から覚めることは二度とありませんでした。 merry bat end ?
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