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「君に命をくれてやってもいい、でも、それは今じゃないんだ」 「……」 「君は別に僕に怨みがあるわけじゃないだろう? 君は殺し屋で、誰かに雇われた」  娘が何も言わないでいるのをいいことに、ドライツェンは続ける。街で娘から花を買った時に娘の痣に気が付いていた――幼い頃、自分を殺そうとした暗殺者にも付いていた痣――あの時は、ノインが気が付いて助けてくれたのだ、自分の身を犠牲にして……。そして今回も……ノインが気が付いてくれた。 「君が僕の依頼を受けてくれたら、僕は君に報酬を払おう。君は何を望む? 金か? 宝石か? 美しいドレスか? (ここ)にはそのどれもがあるし、僕にはいくらか自由にできる権限がある。悪い話じゃないだろう?」 「……では……」  娘は口を開いた。そして、その言葉にドライツェンは瞳を大きく見開き、にやりと笑った。 「いいよ、交渉しよう、僕は君に――」
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