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 それから、数日後のことだ。国王が死んだ――国中は喪に服し、真っ黒に染まった。そして、その喪が明けぬうちに、人々の噂も大きく膨らむ。  次の王は、誰なのか――と。 「ドライツェン! 大変だ」  ドライツェンの部屋の中に、ノインが駆け込んできた。あまりに焦ってきたのだろう、切れた息がなかなか整わず、言葉を紡ぐことができない様子だ。 「どうしたんだよ、そんなに慌てて……」 「アインス様が殺された!」 「……なんだって……」 「今朝ベッドの中で死んでいるのが確認されたんだ。死因は毒だ……」 「……次の王は次兄のエルフで決まりだな」  そう、ドライツェンとノインが話していた数日後、今度は次兄のエルフが殺された――毒殺だった――。 「城の中で食事はしない方がいい。僕が街から調達してくるよ」  部屋に用意された夕食を見ながら、ノインはそう言う。ドライツェンは頷いて、その食事を捨てた――。
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