舞い降りてきた天使

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舞い降りてきた天使

女性はいくつになっても恋をしていたい生き物だと聞いたことがある。 男だって同じだ。 例えオジサンになっても若くて可愛いコと恋ができないものかと、どこかで淡い期待をしているものだ。 俺は加藤晃太、現在44歳。一つ年下の妻と遅い結婚をしたため、子供はまだ6歳の娘が一人という家族構成である。 少し飽き性なのもあるが、それ以上に好奇心が旺盛なために職を転々としてきた。 前職は百貨店の営業をしていたが、将来性のない業界でもあり6年ほどで辞め転職することにした。 仕事ができないわけではない。むしろ仕事ぶりは評価されていて、前職でも早々と役職を与えられ、辞める際には営業先のお客さんからたくさんの勧誘をもらい、最終的には一番熱心に勧誘してくれた携帯ショップ運営会社の社長に店舗マネージャーとして迎えられた。 この物語の始まりはその携帯ショップに勤めはじめて半年後のことである。 高校を卒業したばかりの新卒の女の子が入ってきた。娘ほどの年齢の女の子である。 その子を一言で表現するならば、「片田舎に舞い降りてきた奇跡の天使」である。 客観的に見て今流行りのアイドルグループの一員でも決しておかしくない。 こんなコが自分の部下として働いてくれるなんて、夢のような話である。 ただ自分は上司として決して特定の部下を贔屓(ひいき)するわけにはいかない。それは心得ているつもりだ。 ただ可愛いコには単純に気に入られたい。男とはアホなものだ。
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