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チュミミの話を聞いて僕は家族って暖かくていいものだなと思った。僕は記憶喪失だけれど、もしも記憶が戻ったら自分にも家族が居てその事を思い出すのだろうかと、そんな事を思った。
「ただいまー」洞窟の入り口から声がした。
「あ、マチュオお義兄さんが帰ってきたわ」
「お父さんお帰りでチュー」ハムちゃんがハゲネズミの膝の受けから立ち上がり出迎えに走った「お帰りマチュオくん」ハゲネズミが言った。「お疲れ様ですマチュオさん」シワクチャネズミは立ち上がると入ってきた若いネズミの鞄を受け取った。
「おやノリチュケさん」マチュオに続いてもう一匹の若いネズミが入ってきた。「すみません叔母さん、そこで偶然会ったもんですから」
「なんだノリチュケ、おまえも来たのか」ハゲネズミが言った。「ご無沙汰してます叔父さん」「わーい、ノリチュケおじさんでチュー」ハムちゃんが言った。
ドタドタドタ、
「ノリチュケおじさん来たって」カチュオが話を聞きつけてやってきた。
「カチュオ、おまえ宿題やったのか」「やったよやったよ、それよりノリチュケおじさんお土産は?」「ははは、カチュオくんには適わないな。はいガンバリ饅頭」「わーいガンバリ饅頭だー」「ずるい、お兄ちゃんさっきひとつ食べたのに」
ワイワイ、ガヤガヤ
いつの間にか洞窟内はネズミでいっぱいになっていた。
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