新世界2

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「おいおい、オレのおかげであの谷を渡れたことも忘れないでくれよなー」ブラカスちゃんが横から声をかけてきた。 「ああそうか、そうだったんだ。僕は結局あの谷を渡れたんだね。すごいやブラカスちゃん、ありがとう君のおかげだよ」僕はブラカスちゃんにも礼を言った。 「そうさ、癒やしの力のグリーンエメラルドドラゴンと機転が効いて頭のいいブラックカオスドラゴン、オレたちが手を組めばどんな困難だってへいちゃらさ。これならこの先どんなに大きな壁が立ち塞がっていても、オレたちならちゃんと便器ちゃんをガンバリ図書館まで連れて行ってやれるはずさ」  ブラカスちゃんとエメドラちゃんは息の合ったコンビとしてハイタッチをして見せた。僕はそんな二人を何だか羨ましく思った。 「ぼく、二人にお世話になってばかりだね。何だか申し訳ないな」 「いいっていいって、そんな事よりも便器ちゃんは早くガンバリ図書館に行かなきゃな。そうすればどんなズルンズか分かって自分に備わった素敵な力を思い通りに使えるようになるはずさ。そうなったらきっと、便器ちゃんにオレたちが助けて貰うこともあるに違いないよ」ブラカスちゃんはそう言って僕を慰めてくれた。ブラカスちゃんも言葉使いは乱暴だけど、とっても可愛くて優しい女の子だと思った。     
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