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「海鮮時空ネズミはね、元々は海の中に住んでいたネズミの一種でそれが陸上に上がってきて進化したネズミなんだ。それから海鮮時空ネズミの近くでは時空が歪んで時計の時間がズレてしまう。それで海鮮時空ネズミには時間を操る不思議な能力があってそれを使って時間を操っているんじゃないか、とも言われているんだ」博学なブラカスちゃんが説明した。
「へーすごいや」僕は感心して言った。
「おや、お客さんだよ」一番大きなネズミがこちらを見ていった。頭がハゲ上がっていて髪の毛が一本だけ生えていた。
「こんにちは、私たち雨が降り出してここに雨宿りしに来たんです」エメドラちゃんが言った。
「それは大変だったでしょう。どうぞどうぞ何も無い狭い家ですが、どうか雨が止むまでの間ここで寛いでいってください。おい母さん、茶菓子があったかな」ハゲたネズミは隣に座るシワクチャのネズミに言った。
「はいはい、ちょうど頂き物のガンバリ饅頭がございますよ。それじゃあ御茶でも入れましょうかね」そう言ってシワクチャのネズミは立ち上がると洞窟の奥に消えていった。
「おい、おまえ達もお客様のために席を空けるんだ。カチュオおまえ宿題やったのか、自分の部屋で勉強しなさい。どうもすみませんね子供は気がつかなくて」カチュオと呼ばれた丸坊主のネズミは「はーい父さん」と言って席を立ち退出していった。それから少しして「母さん僕のガンバリ饅頭、自分の部屋に持っていくよ。勉強しながら食べるから」という声が聞こえた。
「僕も一緒に勉強するでチュー」おかっぱ頭の一番小さいネズミが言った。
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