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「おい母さん、さっきカチュオのヤツはひとつ丸ごと持っていったのかい」とハゲネズミが聞いた。
「ええお父さん、あの子食べ盛りですからね。勝手にひとつ持って行っちゃいましたよ。ふふふ」
「食べ盛りと言っても甘いモンばかり食べててもしょうがなかろうに。まったくカチュオのヤツめ、しょうがないヤツだ」ハゲネズミはそう言ってブリブリ言って自分のガンバリ饅頭を食べた。
「おじいちゃん、僕も食べるでチュー」ハゲネズミの膝の上でハムちゃんが言った。
「はいはいハムちゃん、どうぞどうぞ」「ハムちゃんは御茶じゃなくてジュース入れといたからね」「わーいでチュー」
「ハムちゃんは姉さんの子供でいま姉さんは出かけてるの。初孫だからお父さんもお母さんも甘やかしてるのよ」チュミミが説明した。
「へー大家族なんですね」僕は言った。
「うふふ、姉さんとマチュオさん、あ、姉さんの旦那さんね。二人もこの家で一緒に住んでいるんだけど、私は姉さんとは年が離れてて、それで良くハムちゃんと三人兄弟って間違われるのよ。でもわたしの兄弟は姉さんとさっきのできの悪い兄さんだけ。兄さんは野球ばっかりで勉強はぜんぜんしないの。あ、あとうちにはタマっていうペットも居るわ」チュミミはいろいろ話してくれた。
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