田中美里 三

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翌日。 「カレーをそのまま持ってくるのは無理だったから、カレー粉を使った炒め物にしたんだー」 愛梨が開けたお弁当箱の中にはサラダとご飯、茶色い炒め物が入っていた。 「へー、なるほど!」 そのまま持って来て思いっきり引かれればよかったのに。深呼吸する横顔をこっそり冷めた目で見る。 多田君には好きな女の子のタイプでも食べ物でもなく嫌いな食べ物だけ聞いた。 「カレー。なんで?」と聞き返されたけど何でもないと言っておいた。   そうとも知らず、愛梨はちょうど近くを通った多田君を呼び止める。
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