田中美里 三

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「あの、多田君」 「ん?」 色黒で坊主頭の多田君が振り返る。 「これ、よかったら…部活の練習の前にでも食べて。それと、話があって…」 愛梨は包みを差し出し、俯いた。教室内が僅かにざわつく。 白い頬を染める様子も、俯いた拍子に長い髪が肩を滑るのも、愛梨の見た目なら様になってしまう。やっぱりずるい。 「え、マジで!?ちょうど弁当忘れちゃってどうしようかと思ってたんだよな~。今食っちゃっていい?」 大雑把な手つきで包みを開けると、多田君は早速近くの椅子に座って食べ始めた。
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