田中美里 一

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キーンコーンカーンコーン……。 四時間目終了のチャイムが鳴る。私はいつも通り愛梨の机に駆け寄った。 「ジャーン!」 愛梨がいつものようにお弁当箱のフタを開ける。中にはご飯と白菜の胡麻和えと綺麗に巻かれた卵焼き、エビフライが入っていた。 「わあ、エビフライだ!おいしそー!」 歓声を上げてのぞきこむ。 「背綿をとるのが大変だったよ~」 早速かぶりつくあたしに、愛梨は満足げに笑う。 長い髪の一部を編みこみ、ピンでとめた愛梨はいかにも女の子らしい感じの女の子で、恋多き乙女だ。
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