田中美里 五

6/6
前へ
/53ページ
次へ
教室に戻り、愛梨の席に着く。 愛梨がフタを開けると、入っていたのはちらし寿司だった。 「おいしそー!カラフル!すごい!」 「えへへ。美里と仲直りしたくて頑張ったんだ」 微笑む愛梨にほっとしながら箸を取る。 ああ、これでやっと本当の友達になれた気がする。ドス黒くて重たい悪意の卵が、砕けて消えていくように感じた。
/53ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加