やわらかなる学校生活♪

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やわらかなる学校生活♪

以下の御話はとある県の、とあるワカメしか特産品がない名も知れぬ町の、これまた名も判らないとある中学校での出来事を(つづ)った、バカたちの物語である。 空が碧く晴れ渡り、すっかり山々が春の匂いに変わった三月中旬。痩せ形細面の黒縁メガネの男子中学生は独り、屋上設置の給水塔の網柵にしがみつき、そのコンクリートの(ふち)を演台と決め直立(ちょりつ)していた。 『……あの、独り者にとっては災厄以外何者ではない、屈辱の忌まわしき【2月14日のバレンタイン・ドゥ・ウェーイ\(・o・)/】の災厄から幾星霜(いくせいそう)。気の移り変わりが激しいことに定評のある世間様は既に、【ホワイト・ドゥ・ウェーイ(/・ω・)/】の祭典を微笑みを(もっ)て迎え撃たんとしている。この暴挙に対し、我らが噛みつかないでいったい誰が噛みつくと云うのか!!』 「「異議なぁ~~し!!」」 同志と呼ばれた同じ背格好で同じ黒縁メガネを着用した男子中学生二人が、演台下から同意の意思を高らかに示す。     
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