弐之匣 第二十三話 ある宗教と友人 其之弐

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しかし、その次の日もそのだるさは取れず、本当に体中に重石が付いたような感覚だったと言います。 その日、病院へも行ったそうですが、風邪でもなく、疲れているのでしょうという事で、栄養剤などをもらったと言っていました。 そのまま、結局一週間その状態が続いたそうです。 友人の母が、食事と一緒に御札のようなモノを友人の部屋に持ってきて置いて行ってたそうです。 「○○様が守ってくれるから…」 友人の母はそう言って手を合わせて、お祈りをしてたと言います。 「明日、○○様のところへ行ってくるから、そしたら少しは楽になるでしょ。早く楽になって欲しいから、○○さん(例の近所のおばさん)と一緒に本山へ行ってお祈りしてくるから…」 しきりに友人の母はそう言うのです。 「そのオカンの「楽になって…」の「楽」がよ…早く死んで楽になれに聞こえてなー。そう思わんか…」 その日友人は私にそう言うのです。 その友人の顔は今でも思い出せます。 「実の母親がそんなことするかいな…」 私はそう思います…。 友人の話は続きます。
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