弐之匣 第二十三話 ある宗教と友人 其之弐

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寝ている自分の横で、念仏の様なモノを唱えられれば気持ち悪いと思います…。 そして、友人いわく、その念仏の様なモノは友人を「楽」にするための念仏。 ずっと「楽になる」ことがどんな事なのかを考えていたそうです。 そうなると、母親の作った料理に手をつける事も出来ず、ましてや夜眠る事も出来ず…。 結局それが原因で友人はやつれてしまった様なのです…。 「とりあえずわかったけど…。このままじゃアカンやろ…」 私はそう言いました。 「そうやねん…。それで相談やってんけどな…」 「なに…」 「とりあえず今晩、泊めてくれんかな…」 友人はそう言います。 私ももちろん親元にいましたので、狭い六畳の部屋で友人と二人寝る事になります。 「えーけど、狭いよ…」 「そんなんえーんよ…。ぐっすり眠れれば…」 そう言うので、私は友人を連れて、自宅に戻りました。
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