弐之匣 第二十四話 ある宗教と友人 其之参

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そして、 「その子の家って近いんか。一回連れてってくれんか…。このままやったら家中自殺者出るはずやから」 Fはそう言うのです。 いつも思うのですが、そういうことをFは淡々と言います。 私はその友人の家に、線香を上げさせて欲しいということで連絡しました。 自殺した友人の家に行く。 あまり経験したくないことなのですが…。 次の休みの日に私はFと一緒に行くことにしました。 しかし、Fの言う「家中自殺者が出る」という言葉が気になって…。 そして、Fはその友人があまり長くないと言っていた事。 わかっていたら教えて欲しかった…。 このときは本当にそう思いました。 「それは言えんのよ。気をつけろとは言えるけど」 Fはそう言ってました。 友人が自殺したのはこれが始めてでした。 そのショックはなんとも言えないものでした。 今でもあの時の自分を覚えていますが、できれば味わいたく無いものですね…。 さて、細切れになりますが、この話、まだ続きます。
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