弐之匣 第二十五話 ある宗教と友人 其之四

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以前とは感じの違う母親が出てきました。 「あー○○の友達の…」 友人の母はゆっくりと頭を下げて挨拶をしてくれました。 誘われるがままに、家に入り、リビングの横にあった和室の仏壇の前に通されました。 いつの写真かわかりませんが、私の知っている友人とは少し違った感じでした。 線香をあげて手を合わせていると、友人の母がリビングにお茶を準備してくれました。 私とFはリビングへ移動し、ソファに座りました。 そこで私は初めて気がつきました。 以前来た時に沢山あった、宗教的な装飾品がまったくないのです。 天井に貼ってあったモノも…。 「お母さん。あの宗教は辞めはったんですか…」 私は友人の母に聞きました。 しばらく友人の母は答えませんでしたが、 「はい…。アレが原因で○○が死んだのなら…○○様もなにもないですから…」 友人が身を持って母親に変な宗教を辞めさせた事になる。
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