食べ残し

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食べ残し

 友達に、いつも食事を食べ残す子がいる。  小食だから並の量が食べられない場合は仕方がないとしても、自分で量を調節できるような時ですら余計な量の料理を頼み、必ず食べきれずに残すのだ。  食べきれないならその量を頼まない方がいいよと言っても、曖昧に笑ってごまかすばかりで、また同じことを繰り返す。  残さず食べれと言われて育ったのもあるが、私はかなり食い意地が張っているので、食べ物を残すということが理解できず、友達自体は嫌いではないが、一緒に食事をすることは避けたいという気持ちが次第に強くなった。  二人で会う時はなるべく食事時を外すようにし、カフェでお茶を飲むことすらしない。そういう接し方をしているけれど、それでも何人かで集まった時には『みんなでごはん』という流れになってしまうこともある。  ああ、今日もまた、たしなめる言葉も聞かずに絶対食べきれないだろうセットメニューを注文している。  残すだけの品を頼むなんて、まず食品がもったいないし、料金だって無駄に高くなるだけなのに、どうしていつもこうなんだろう。  案の定、友達は料理を食べ残し、それを忌々しい気持ちで眺めながら私達は席を立った。でも直後、私は席に忘れ物をしたことに気がついた。  みんなには先に店の外に出てもらい、慌てて今座っていたテーブル席に戻る。  そこの、あの友達が座っていた席に黒い何かが座り込んでいた。
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