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同居を始めた春は、正直、大祐との毎日が単純に楽しく、真友子には
それしか見えていなかった。
そしてゴールデンウィークが明けて突入した多忙期の間は、ちょうど式の
準備が始まる時期とも重なり、それら以外の事に頭が回らなかった。
だが、抱えていたプロジェクトが彼女たちチームの手を離れ、
次のプロジェクトに入る前の短い閑期を迎えると、真友子の中で
急に結婚生活というものが現実味を帯びてきた。
大祐との生活は、彼が真友子の現状を受け止めてくれる限り問題はないと
思っている。だが、
出来れば、やっぱり欲しいな。
年齢的にはかなりギリギリだが、もし授かれるなら新しい命も迎えたいと
真友子は思う。
しかし、それを現実的に考えると、やはりどうしても彼女の現在のキャリアはネックになる。
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