21 幸せは涙と共に

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そんなものを胸に抱えつつも式の準備は着々と進み、いよいよ迎えた当日。 彼らを祝福するように澄んだ秋空が広がる中、二人は揃ってマンションを後にした。 「今日からは、世間からも認められる正真正銘の夫婦ね」 真っ青な空を見上げ、真友子が朗らかに言う。 しかし隣を歩く大祐は、緊張しているのか、やや硬い表情で「うん」と短く 頷いてくる。 もぉ緊張しぃだなぁ、大ちゃんは。 真友子は、彼の手の中に自分の手を滑り込ませ、内心ちょっぴり苦笑した。 「大ちゃん、一生に一度のお式だからリラックスして楽しもう?」 うん。 素直に頷くが、やっぱり彼の顔にはありありとした緊張が浮かんでいる。 だが実は、これには、真友子も思いがけない裏事情が隠されていたのだった。
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