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しかも、五月の連休までは真友子の仕事も余裕があり、毎日一回は食事を
一緒にする内に、イモ類以外の彼の好みも見えてくる。
そしてそんな中、驚いたことに一緒に住み始めて程なく、大祐から料理を
教えて欲しいと頼まれた。
「すぐに上手くなんてなれないのは、分かってる。
でもさ、これからずっと一緒に暮らすんだから、まぁゆが忙しい時くらい
簡単な物でも僕が作れたらって思うからさ」
こんな素直な優しさに、真友子は少なからず感激した。
だが、包丁を持ったことすらないというのだから、道のりは決して容易くは
なさそうだ。
だからスタートは、米の研ぎ方と炊飯器の使い方から。
ところが、やり始めてみると、ジオラマのような細かい作業が得意なだけに
上達度合いは悪くない。
実際、最初は目玉焼きすら焦がしていたのに、ゴールデンウィークが明けて
間もなく真友子が多忙期に入ってからは、まだまだ未熟ながら、焼きそばや
親子丼などを作ってくれるまでになっている。
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