21 幸せは涙と共に

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こんな成長ぶりを見せる一方で、甘えてくる時の大祐は子供のようになる ことも、しばしば。 そして大抵の場合、やっぱり真友子はそれを許してしまう。 だから今も、「ねえぇ」と尚も揺れ続ける大祐に、真友子はテーブルの上を 片付け始めた。 「ねぇ、明日さぁ、帰りにご飯食べてこようよ」 新居に移る際に新しくしたワイドタイプのダブルベッドで、真友子を 抱き寄せた大祐が、小さくキスをして甘えるように言ってくる。 「うぅーん、疲れてなかったらでもいい?」 実は、10月に控えた結婚式に向けて、明日はドレス選びに式場に赴く。 「だって大ちゃん、これから『良い事』したいんでしょ?」 「一週間もお預けだったんだから、そりゃしたいよ」 言った大祐は、コツンと額を合わせて真友子の唇をチュッチュッと数回啄んでくる。
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