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しかし、こんな風に機嫌良く始まったはずの土曜。
いよいよ試着が始まり、最初は大祐も、かなりノリノリ。
早くも大祐はシルバーグレーのタキシードに決めて、今度は真友子のドレス
選び。
「お客様は、とてもスタイルがよろしいですから、細身のドレスも
お似合いかと思いますよ」
スタッフのこんなアドバイスに、真っ先に大祐が食いつく。
「そうだよ、きっと綺麗だよ。
あっ、でも僕はフワフワのドレス姿も見てみたいな」
だが、いざ試着が始まると、徐々に大祐の機嫌の雲行きが怪しくなってきた。
「わぁ、大ちゃん、よく似合ってる」
だが、笑顔になった真友子の正面の大祐は、緊張でもしているのか無表情で
真友子を見つめる。
だから真友子から、促すように聞いてみた。
「私の方は、どう?」
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