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ごちゃごちゃの感情
昨日まで私は幸せな人生を送っていると思ってた。
昨日の夜まで家族といるのが一番楽しかった。
そう、昨日の夜まで。
昨日の夜のこと。
(はー、眠れない)
藤田スミレ、中学三年生。今日は部活が長引いて疲れているっていうのに親の口喧嘩のせいで眠れません。
(今度は何で言い争ってるんだろう……)
怖かったっていうのもあるが、少し何で争っているのか気になって好奇心で居間を除いた。
それでバチが当たったのかもしれない。
「まずあなたが悪いんでしょ!小さい頃にあんなに甘やかすから!」
「お前もあまやかしてたじゃないか!それに昔からお前といる方の時間の方が長いからそう考えてもお前の育て方が悪い!だからあんなわがままを言ったり……」
(私のことで争ってる!?)
「あの子がここに残るか海外に行くかなんて親が決めるもんだろ!それをあんなわがままを言って……たく、誰に似たんだか……」
(あーそれのことか……)
学校から帰ってきたら急に父の転勤が海外に決まってついていくことを進めた母に私がそく「一人暮らしになってもいいからここに残りたい!」と断ってわがままをいってしまったんだ。もちろんそのあとたくさん怒られもしたが私は反対し続けてしまった。
だからあんなに起こってるんだろう。
「あの子を連れて行ったら学校代も会社が出してくれるし、何より旅行する金や休みの量が広がって楽なんだよ!」
(…………!!!)
「そんな……だったら私関係ない!二人で行ってきたらいいじゃない!」
(え………)
「そうだな………それもいいかもな。あの子さえ連れていけばいいだけだしな」
「私も子育てはいい加減あきたの。連れて行ってくれれば私は自由だし、あなたは休みが広がるし一石二鳥ね」
(な、何言って……)
「ま、邪魔なだけだがな………休みのためだ。仕方ない……」
「用が済んだら施設でもなんでも入れればいいじゃない。私に戻すのなんてごめんですからね」
(そ、そんな……)
「ま、待って!」
思わずドアを思いっきり開き、会話の中に入った。
「ど、どうしてこんなこと言うの?わ、私はただの道具だったってこと!?今まであんなに笑って過ごした日々の楽しかったことも全部嘘だったって言うの!?」
「「……………」」
「何か言ってよ!!!ねえ!!」
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