★魔女との出会い★

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★魔女との出会い★

 真っ暗だ、ここは何処だ? 何もないし、何も見えない、そもそも俺は何してたっけ? 確か、怪奇現象が起きたという森があるという噂を聞いて、どんな所なのか興味が出て……そうだ! 俺はその森に行ったんだ! それで俺は森の中を歩いてたら急にあたりが暗くなり………。 ということは、ここは森の中か! じゃあ早いとこ起きて先に進まないと。 その為にはまず起きるか。 「おい、起きろ!」 何だ? 今女の子の声が聞こえたような。 「おい、とっとと起きろ!」 やっぱり聞こえる、何だこの声は、何故か女の子の声がする。 「おいこの野郎! とっとと起きろって言ってるだろうが!人の家の前で寝やがって!」 ぐえ! 何だ! 行き成り背中に蹴られた痛みが! これは一刻も早く起き上がり、誰がいるのか見てやる! 俺は起き上がり、そして目を開いて蹴ったと思われる奴を見た! すると目の前には十二歳くらいの長い耳の女の子がいたので文句を言った! 「誰だ、君は! 行き成り蹴るなんて酷いじゃないか!」 さぁどう反応するんだ、この女の子は。見た感じムスッとした顔をしているが……。 「酷いじゃないかですって? 貴方が私の家の前に転がってるからいけないのよ!」 「君の家? こんな森の中に? あれ? でも俺が歩いてた森に家なんかあったか?」 「どこに目をつけてるの? 目の前にあるでしょ?」 「あぁ、これが君の家か、てっきりキノコに囲まれた何かの物置かと思ったよ」 「物置ですって!? なんて失礼な奴だ! 貴方どうやら私の魔法をくらって死にたいのかしら?」 「魔法? ハハハ、魔法って中二病かよ! アハハハハ!」 いやぁ~ 俺を蹴った奴がどんな奴かと思ったけど、何だ、ただの中二病の女の子か。 まぁ、こんな小さい子相手にむきになるのもよくないか。 「わかった、わかった、魔法ね、そういう設定なのね♪ じゃあね」 「なっ! 設定? 魔法が設定ですって!? あははは、どうやら本当に死にたいようね……。」 「いいわ、見せてあげるわよ、貴方が設定というその魔法をね!」 な、なんだ! 周りの大気があの少女の方に向かってるような! ん? 何かあの子の手のとこが赤く光ってるような、それに何だか熱くなってきたぞ! 「くらいなさい! 私の攻撃魔法、インフェルノバスター!(破壊の業火)」 なにっ! まじで魔法を放ってきたぞ! どうなってるんだ! というか逃げなくては! 「うわぁああああああ! やべぇ! 逃げなくては!」 「あははははは! 逃げられると思ってるのかしら? 残念! 私からは逃げられないし、逃がさないわよ!」 アイツやばい! 目がやばい! 俺を殺す気だぞ! だが俺も簡単に殺されないぞ! 全力でにげる! 「うぉおおおおおおおおお! 俺は生きるぞ! 頑張れ! 俺の足!」 俺は走った! 殺されないように全力で走って逃げた! そしていろいろ気付いたことがあった! まず一つ、ここは俺が歩いていた森じゃない! だってあんな電柱並みのデカさのキノコなんかいくつも生えてなかったし! 何か空はオーロラが前面に かかったようなファンタジー風だし! そして何よりも俺のいた世界に、あんな手から放つ魔法なんかない! 二つ目は、俺は陸上部だった、走るのに自信がある! だからあんな少女から走って逃げるなんて十七歳の俺にとっては簡単なことさ。 だがおかしい! これだけ走ってるのに俺と奴の距離が何故か遠くならない。 でも走っているうちに理由は分かった。俺は脚力で逃げている、そしてあいつはなんと空を飛んで追ってるのだ! これじゃあ俺の方が先にばてて殺される! 何とか許してもらわなければ死ぬ! さてどうするか。 俺は考えた、考えて考えて考えた、そしてたどり着いた! これが俺の狂人魔女への謝罪方法だ! 「あぁ、ごめんごめん、小さい子相手にムキになって(笑)」 「ダークネスメテオ!(闇の流星よ)」 な、なんだ! 俺が謝罪した瞬間新たな技を放ってきた! 名前の通り闇の固まりみたいな巨大隕石が落ちてきた! 謝ったのに、逆効果だったか! いや、謝罪の仕方が間違っていたのか? もう一度よく考えろ、あいつは何で怒っている。俺が何かしたに違いないが……。 何をしたっけ? 確か家の悪口を言って、あの少女を中二病扱いしたっけなぁ………。 つまり侮辱されたことに怒ってるのか。 あいつの性格はプライドが高いと見た、ならそう言う奴の対処法はこうだ! 「偉大なる魔女様、俺が悪かったです! あなた様を侮辱するとは実に愚かな行為でした!どうかお許しくださいませ!」 これでどうだ? プライドを捨てて全力で下手に出て謝罪したぞ! これで許してもらえなかったらもう戦うしかない! さぁ、魔女様のお顔を拝見するか。 どうだ、チラリ・・・・・・。 「フフフフ、やっと私の偉大さに気づいたか♪」 やったぁ! 魔女様ご満悦だ! たぶん許してくれた。だって攻撃やめてくれたし、すんごい笑顔で魔女様空中からこっちに降りてきた。 「まぁ私も怒りすぎた、すまんな~」 「いえいえ、こちらこそ失礼しました」 「ところで貴方は何処から来たんだ?どうしてあんな場所で倒れていたんだ? そして貴方は誰だ?」 おっ? 案外根はいい奴なのかな、もしかしたら助けてくれるかも。 年下に助けを求めるというのは気が引けるが、ここは仕方がない。 「俺はレン、怪奇現象が出たという森を歩いてたら急に目の前が真っ暗になり気がついたらさっきの場所に倒れてたんだ」 「さらに言うと、周りを見てみたら世界観も変わっていたんだ」 「なるほど、話を聞く限り貴方は時空の歪みに巻き込まれたようね」 「時空の歪みに巻き込まれた? 何だそれは?」 「時空の歪みとは、空間に突然現れる時空の亀裂、そして時空に巻き込まれると一瞬で飲み込まれて異世界に飛ばされてしまうのさ」 「それじゃあ俺は今異世界にいるってことか? だから魔法とかもあるのか?」 「そういうこと」 「じゃあ、帰る方法を教えてくれよ、俺元の世界に帰らないといけないから」 「無理ね、と言うよりは正確には時空の歪みは 何時現れるか分からないし、仮に歪みを見つけられたとしても、その先が貴方の世界に繋がっているという保証がないから実質不可能だ」 「えっ!? つまり何、俺は元の世界にもう帰れないってこと?! 終わったぁあああああああ!」 「・・・・・・はぁ、全く世話の焼けるやつだな、いいわよ、私は高貴なる魔女だから貴方と一緒に元の世界に帰れる方法を探してあげる、感謝しなさい」 「まじで! よかった~ 助かったよ! ありがとな!」 「そんなに目を輝かせないでよ、凄くプレッシャーになるじゃない!それに必ず見つけられるわけじゃないわよ」 「分かってるって、見つからなかったとしても責めたりしないよ♪」 いやぁ~ 最初はどうなるかと思ったけど、話せばやっぱり良いやつじゃん、この子。 そういえば名前を聞いてなかったな……。よし、聞いてみるか。 「そう言えばさ、君の名前は何ていうのかな?」 「名前? あぁ、そうね、まだ言ってなかったね」 「私は高貴なエルフの黒魔導士エルマよ! 覚えときなさい!」 「エルマちゃんね、わかったよ」 「それともう一つ言っておく、私見た目は十二歳くらいだけど、歳は百歳を超えてるから」 「だから私の方が貴方より何歳もお姉さんなのよ、わかったかしら? レン君♪」 「えっ! そうなの?! …………了解しました」 嘘だろ! ずっと俺の方が年上だと思ってお兄さんぶってたけど、エルマの方がはるか年上だったとは。 俺かなり恥ずかしいじゃん。何でエルマがかなり怒っていたのかがよく分かったよ。 恥ずかしぃいい!そういえば、エルフって寿命が長くていつまでも若々しいって聞いたことがあるな~ こういうことか。 うわぁ、エルフ魔女様得意げな顔をして紫色の長い横髪をかき上げてるよ。 まぁ助けてくれるみたいだからこの人に付いて行けば何か分かるかもしれないし、大人しく従いますか。 「おい、レン君、今だいぶ上から目線な事を考えていたな!」 「いえいえまさか、助けてもらうのに失礼な事なんて考えてないよ、信じてくれよ~ エルマ」 「もう呼び捨てなのね、レン君」 「ん? じゃあエルマ様の方がいいか?」 「何か悪巧み考えてそうみたいで落ち着かないからやめて」 「ひっでぇ! じゃあ何て呼べばいんだ?」 「もう呼び捨てでいいわよ、何か、さんとか様とかつけられると不気味だから」 「じゃあ最初から言わなきゃいいのに(ぶつぶつ)」 「聞こえているわよ! もう一度魔法をくらいたいのかしら?」 「それはご勘弁ください、マジで死ぬんで」 「懲りない人ね、貴方」 「悪かったよ、それより方法を見つけるってどうすればいんだ?」 「露骨に話をすり替えたわね。まぁいいわ、とりあえず私の家の中にある本とかに情報がないか調べていくわよ」 「わかった、じゃあ早速中に入れてくれエルマ」 「私、家に早く入れろって言われたの初めてだわ、結構自己中なのね、貴方」 「よく言われるよ、あはははは!」 「よく言われるなら直しなさいよ」 「まあまあ、硬いこと言わないで中に入れてくださいよ」 「分かったわよ、それじゃあこっちが入り口よ」 「お邪魔しま~す!」 おぉ、中は十四畳くらいあるのかな~ 部屋が広い! だが至る所に本が積み重なっているせいか、部屋が少し狭くも感じる。 あそこにあるのはガスコンロとシンク、部屋の真ん中には百センチ×百センチ くらいの木目調の机が置いてあり、その上にも本が一冊置いてある。 たぶんエルマが読んでいたのだろう。 おっと、あのたくさんのハンガーにかかっているのはエルマの服だろう。 同じ黒いワイシャツとスカートが何着もかかっている。服はあれしかないのだろうか。 景色は中々のもので、この建物の部屋が入口に入って階段を上った先にあるからなのか見通しがいいのと元々ファンタジーみたいな世界なので幻想的だ! 「エルマの家ってさ、外から見るとただの小屋だけど、中を見るとけっこういい家だな、外の景色もいいし」 「褒められてるのか貶されてるのか分からない発現ね。まぁいいわ、それより調べましょうか」 エルマに頼ってる手前あまり言えないけど、この山積みの本の中から探すのか? 本棚を買って整理したほうがいんじゃねえ、と言いたくなるほど本が積まれてるこの中から? これは大変な作業だな、たぶん半日以上はかかりそうだ。 だってこの本の数、多分千冊はあるからな。
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