雷雨

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 銃器が奏でる発砲音と狂おしい動作音  戦車が障害物を薙ぎ倒し破壊し全てを乗り越えていく様  SFにしかない極小部品による芸術ともいえる美  そうだ私は特に機械的な物が好きで仕方ない。  これは生まれ持った性なのだろうか?  それとも父に無表情から機械の様だと揶揄されてから?  いや、どうだっていいことだろう。  とにかく私は機械が好きなんだ。  カードゲームも機械的なキャラクターを好んで使い  ロボットアニメと聞けば漁るように見て  ゲームキャラクターならばパーツを取っ替え引っ替えして遊び倒した。  だが実際の機械の機構などの知識などはない  私はあくまで受給者で受け身で消費者なのだ。  この様な自問自答ともいえぬ脳の無駄遣いの所為か画面に映る操作キャラクターが倒れてしまった。  私の悪い癖ともいえるコレは治したいと常々思うが、  治らないからこそ癖と言えるのではないだろうか?それとも何だろうか?  などと無為を考えようとした時、  画面にゲームダウンロードを知らせるポップが表示された。  2時間前に購入したゲームがやっとダウンロードされたようで鬱々とした思考も吹き飛ぶ。  カーソルを合わせ起動を選んだ。  その時だった。  私が死んだのは。
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