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一夜明け、ライアンは窓枠に風が叩きつけられる音で目を覚ました。
窓から外をみれば雪が吹雪いて一面真っ白になっている、暫くは外に出れそうにない。
昨日のうちに獲物を村に卸したかったが運がない。
だが幸運でもあっただろう、あの少女には。
未だ眠り続けている少女は一向に起きる気配がない。
改めてライアンはまじまじと少女を観察する。
その顔は見たこともないほど整っており、
珍しい短い銀の髪は艶やに光り彼女を彩り、
シミの一つもない顔は16歳ほどだろうか?
首から上だけなら絶世の美女と言って良い。
問題は首から下の身体…
魔獣と同じ硬い騎士鎧のような体の謎はライアンをもってしても全く分からない。
人間の魔獣などというのは存在しないものと確かに憶えている。
それに、この傷…は他の魔獣につけられたものに間違いない、謎は増えるばかりだ。
頭が痛い問題に目眩を覚えたライアンは目頭をほぐした。
数時間の後に眠り続けていた少女が目を覚ます。
少女がはたと見回してみると傍らには椅子で眠りこける老人、どこも壊れていない身体。
驚愕し確認してみると原型もなかった腕は夢だったかのように元に戻り、貫かれた筈の喉は少しの違和感もない。
もしや傍らの老人が直してくれたのだろうか?
ならば、この御老人こそが私の製作者なのではないのだろうか!
椅子で眠りこけてる御老人を起こさなければ
「御老人、御老人起きてください」
御老人はパッと目を見開くと私をみて微笑み喋ってくれる
「********」
言語の壁が…!!全く分からない!!
ええい、ならば肉体言語で語るしかない!
ワチャワチャと身体を動かして経緯を説明しようと試みる。寝て起きたら身体にビックリして歩いてたら熊に襲われ川に身投げしたと……というのを私の渾身のジェスチャーで表してみる……
が、御老人は首を傾げられた…!
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