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思わぬ障害に意気消沈し不貞寝しようかと項垂れていると御老人が何やら持ってきた。
「********」
全く何を言ってるのが分からないが解った。
目の前に置かれたのはずんぐりした鍋いっぱいのクリームシチュー。
食べなさいって事だろう。
スプーンを持って気づく、
御老人の優しさは目にしみるものがあるが
私の体で食べられるもなのか?
故障しないのか?
と考えていると疑問に答える声が聞こえた
[[解析中……可能です]]
女性の機械音声が聞こえてきたが御老人の他に誰もいない。
「え?誰だ?」
[[サポートAIです]]
「サポート?」
[[メインの行動を微調整。特殊機能の制御、運転。またはメイン意識の喪失時の運転です]]
「身体にそんなものがあったのか」
[[メイン意識喪失により起動されました]]
「なんと…不幸中の幸いだな。」
「********?」
おっと、御老人に一人芝居を訝し目で見られていた、AIは後にしてシチュー食べよう。
食事の後も御老人は、親切に何処からか絵本らしきものを持ってきて私に読み聞かせてくれた。
どうやら私は子供に見られる顔をしているらしい。
絵本は白髭の巨体に全く似合わず、文字と絵を指差してくれるが、指が太くてどれを指しているのか分からなくて苦戦したが一つだけ覚えた。
御老人の名はライアン
彼は自分を指差しそう言った。
私も彼へ返答する為に自身を指差し止まった。
自問する。
人間でない私は誰なのだろうと
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