転機

7/16

5人が本棚に入れています
本棚に追加
/29ページ
はたして私は人間なのだろうか? 見える身体は全て無機物へ変わり、脚が切断され腕がボロボロになっても苦痛を感じなくなっていた。 おまけに頭にはAIなんてのがいる 本当に私は私なのか?この頭を割って出てくるのは脳ではないんじゃないか? そんな私を人間などと…自身の名を…自身の人間の名を名乗れるのかと… …また会話の最中で止まっていた事を思い出した、気づくとライアンさんは哀しそうに私の目を見ている。 確実に自分の名前を忘れてしまった可哀想な子だと思われてる… 何か妙案はないかと考えるが咄嗟の言葉もでず私は思わず顔を伏せてまう、 そこでまさかの追い打ちの頭ナデナデを受けてしま…い…なんの羞恥プレイだこれは。 暖炉の火に当たりながらライアンは考えていた。 名もない少女のことを。 まず少女は理性的で、また年相応の子だと分かった。 言葉が通じずなんとか伝えようと奮闘してる様は愛らしくて孫娘を思いだしたものだ。 不安だった身体には異常がないようで、 今も小さな家を興味津々と見て回っている。 表情の変化に乏しい子ではあるが、 それ以上に宝石のように煌めくアイスブルーの瞳が感情を教えてくれる。 いい子だ。 それ故に少女の行く末に不安が募る。 どうしたものか… ライアンは壁に飾られた黒塗りの弓を眺め悩んでいた。 窓から覗く吹雪はますます強くなっている 全てを覆い隠すように ライアンが安楽椅子に腰掛けせっせと縫い物をしている横で私は窓から吹雪を眺めていた。 全てが白で何も見えない景色、これをホワイアウトと言うのだったろうか? もしかしたら明日は積雪で家から出られないかもしれない。 といっても私なら出れる。 今日一日中は脳内でサポートAIと特殊機能につて話しあっていたのだ、 それはまさにオーバーテクノロジーの塊であり正に心を湧かせる機能である。 あまりにも多いので割愛して整理しよう。 身体は極限環境で動くことを目標に、高温多湿に低温乾燥に高圧高放射線地でも 限定的に活動が可能。 耐衝撃斬撃性に優れた素材を採用されていて小銃程度なら無効化が可能。 両目のハイテクカメラは数百メートル向こうの人物の黒子まで捉え、 赤外線から顕微鏡に自撮り機能など數十種の機能があり、 写真を保存どころか印刷もできるらしい、
/29ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加