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「じゃあなんで誰も近付かないんだ、近寄る素振りすらない」
医者ですらな、
そう言うと西岡は目を伏せながら答えた。
「広太様は、…簡単にご説明するなら重度の潔癖症なんです」
何年も前から、そう続ける西岡。
潔癖症?重度の?俺が?
まっさかぁーとかぶりを降る
だって俺だぜ?記憶喪失半日目だが今車が通っている砂利道の溝の水を見て「この暑さなら飛び込めるわぁ」とか考えてるこの俺だぜ?
ないないと手を振りながら笑う。
「………えぇ、今のあなたなら考えられないでしょうね。昔の広太、そのものだ」
え?なんて
笑いすぎて聞いてなかった、つーか腹から声出せよ西岡ァ。
西岡は顔を片手で覆いながら自嘲気味に笑っていた。
表情は見えなかった。
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